光のもとでⅠ

 俺のせいで携帯を手放したりするなっ。
 もし秋兄からメールが入っていたらどうするんだ。
 あの人、返信がなかったら落ち込んで仕事に手がつかないとか言い出しそうなどうしようもない人間なのに――。
 結果、被害を被る人間が数名出るのだ。
 メールの受信をすれば、見事に三件の未読メールがあった。
 思わずため息がもれる。
 当たり前だけど、中までは見ない。
 受信するのみ。
 ただ、今までのこのメールの存在に気づいてもらえなかったのはひとえに俺のせいだから、どこの誰だか知らないけど「悪い」と心の中で謝る。
 病室に戻ると、首を傾げている翠がいた。