「出直したほうが良さそうですよね」
「そんなことないよ」
 ナースセンターの中に入り、カウンターにあるメモを彼に向ける。
「メッセージを書いて置いておけばあとで翠葉ちゃんに届く。きっと喜んでくれるよ」
「だといいんですけど……」
 葵くんはサラサラと涼やかな字を並べ、ボールペンをカウンターに置いた。
 俺たちは、未だ苦しそうな呼吸を聞きながら、その場を離れた。