光のもとでⅠ

「翠葉ちゃん、司なんだけど愚弟で申し訳ない。あいつ、風邪をひいて寝込んでたんだ。今日には熱も下がったけど熱を出す前に携帯を水没させて使えない日があった。機種変をしてからはサイレントモードにしてあったから、着信もメールも気づいていなかった。ただそれだけだから」
 一気に口にしたけど伝わっただろうか。
 意図して無視しいていたわけではないと……。
「……ほん、と……?」
「うん、本当。本人は風邪ひいていたことを知られたくなかったみたいだけど、誤解を解くためなら仕方ないって思ったらしい。相変わらず不器用で無愛想でごめんね」
 一瞬だけ彼女の目に生気が戻った気がした。
 それも束の間――。
 次の瞬間には痛みの波に掻っ攫われてしまう。