光のもとでⅠ

「毎日来てたやつが急に来なくなるなんてずいぶんじゃねぇか? っつっても、俺がそうさせた節もあるんだがな」
「翠葉ちゃん、呼吸ゆっくりね」
 彼女の手を握りながら声をかける。
 少し彼女を見ていて気づいたこと。
 彼女は呼吸のコントロールができるようになっていた。
 酸素を吸いすぎないように、痛みを我慢するのと同じように唇をきゅ、と引き結ぶ。そして、十秒間に一度の頻度で大きく息を吸い込んでまた止める。
 いつか聞いたことがある。
 息をするのも痛いと感じることがある、と。
 俺に今できることは――ある。ひとつだけ、ある。