光のもとでⅠ

 ベッドの脇に立ち、翠葉ちゃんの手を取る。とても華奢で骨ばった手を。
「翠葉ちゃん、わかる?」
「か、え……で、せん、せ……?」
「そう。ずっとつらかったね……」
 それしか言えなかった。
 この痛みがどこまで続くのか、俺には検討がつかない。
「相馬先生、いつからこの状態なんですか?」
「夜中だ」
 夜中――それは昨日の晩からということか?
「だいたい、二時間はこの調子だ。……おまえんとこの坊主は何やってんだよ」
 やっと俺を見たかと思えば司のことを訊かれた。