光のもとでⅠ

 未来の価値観、経験値イコール利子――。
 押し売りされた親切を恨めしく思っていると、
「俺も姉さんも、司の熱が下がるまでこっちにいるからさ」
 は……?
「あら、不服そうな顔するじゃない?」
 薬もらったし、あとは父さんに診てもらえばいい話じゃないの?
「あとは父さんに任せてもいいけど、こんな司はめったに見られないからな。じっくり見ておかなくちゃだろ?」
「放っておけっっっ――ゴホッゴホゴホゴホ」
 なんとか声は出せたものの、そのあとの咳が止まらなくてつらい。
「ほらほら、いい加減横になれよ」
 背中に入れていた枕を兄さんに引き抜かれる。