昇さんを呼びに病室を出ると、ナースセンターには大きな男がふたり、廊下の長椅子には姉さんと栞さん、御園生さんと若槻さんがいた。
 揃いに揃った顔ぶれ、それでもさっきよりはひとり減っていた。
 兄さんが早々に離脱した以外に変化は見られない。
「昇さん」
「お?」
「入院したばかりの頃、翠の相手をしていたのは昇さんですよね。そのあたりの話をしてもらえませんか」
「あぁ……俺が泣かせた件かぁ?」
 昇さんは頭を掻きながら、
「やっぱ覚えてねぇか……。ま、秋斗や司の話をしたからな、そんな気はしてた」
 そうは言うも、まだパソコンディスプレイから目を離さない。
 つられてディスプレイを見て絶句した。