ずっと言いたかったことを口にして少しすっきりする。
 今だって秋兄がこんなところにいる分、ふたりは間違いなく忙殺されているわけで……。
 明日の朝迎えに来てほしいとは言ったものの、こんな状態なら今日にでも迎えに来てもらって大丈夫そうだ。
 稲荷さんが持ってきてくれた掃除機を片手に一階へと下り、部屋を見渡すも羽だらけ。
 そんな中、秋兄は「これ、軽量化されたんだね」なんて掃除機の観察をしている。
「とっとと掃除して……」
「掃除、苦手なんだよなぁ……。葵がいたらなぁ……」
「いい加減にしろ……」
「はいはい」
「はいは一回っ」
 手伝うつもりなどない。
 とりあえず、携帯を見つけて電源とGPSの起動を済ませたいだけ。