「我々はもともと藤宮グループに籍を置いている者もあれば、ボス直々にヘッドハンティングされた者もおります。現在ゼロ課は六人で稼動しておりますが、会長によりけりで人数は変わってきます。そして、ワタクシたちのボス、即ち、静様が退任されるときにはワタクシたちも解雇されますが、藤宮グループのどこかしらで表向きの仕事に就きます。そして、次期会長のゼロ課の人たちの監視下に置かれることになります」
 そんなにペラペラと喋っていいことなのだろうか。
「司様はゼロ課の存在をご存知ですからね。どこまで知ろうとさほど問題はありませんよ」
 男は百二十キロをキープして走行を続けた。
「一本電話を入れても?」
「ご自宅ですか?」
「はい」
「そちら方面にもボスから連絡がいっているはずです。今、司様から連絡するほうが面倒なことになりかねないのでお控えください」
 そのあとは何を喋ることなく、三時間ほど車に乗っていた。