光のもとでⅠ

「……甘いもの苦手なんですが」
「ほかにもオレンジジュース、リンゴジュース、コーヒー、日本茶、麦茶、スポーツ飲料などがございます」
 俺はコーヒーを手に取った。
「ワタクシは炭水化物の補給をさせていただきます」
 支倉と名乗る男はおにぎりを包むラップを神経質なまでにきっちりと開け始め、ガブリ、とそれにかぶりついた。
 どうも緊張感に欠ける男だ。
 そんなことを考えていると、
「ワタクシがこれをあとふたつ食べ終わるまでがリミットですよ。それまでに第一候補くらいは挙げてくださいね」
 ……秋兄と俺の接点で、秋兄がこういうときに逃げ込みそうな場所。