光のもとでⅠ

 丁寧な対応というよりも、どこかふざけているように思えなくもない口調にイライラしていた。
「助手席には本日調べたデータが無造作に置いてありますがお気になさらず」
 支倉と名乗る男はいそいそと運転席におさまった。
 ドアを開ければ本当に造作なく用紙が散らばっていた。
 俺が助手席の乗り込みシートベルトをすると、車は緩やかに発進する。
「ところで、司様は夕飯はお済みでしょうか?」
「済んでる」
 俺は無造作に置かれていた資料を適当にまとめ、流し読みをしていた。
 そこにはかろうじて第三者が読める程度の走り書きが記されているのみ。
 まるで読む相手のことを考えられていない文字の羅列。