「ツカサ……?」
「翠、悪いんだけど急用ができたから病室までは静さんに送ってもらって」
それだけ伝え、すぐにエレベーターホールへと走る。
静さんが乗ってきたままになっているエレベーターに乗り込み、地下のボタンを押した。
エレベーター独特の浮遊感に身体が掻っ攫われる。
「ふざけるな――ひとりだけ逃げるなんて、ふざけるなっっっ」
思い切り壁を殴った。
「……おや? 今、すごい音がしましたが君ですか?」
エレベーターの外に、グレーのスーツを着たひょろ長い男、メガネをかけた銀行員のような男が立っていた。
「支倉と申します」
「あぁ、そう……」
その名前も恐らくは偽名だろう。
「翠、悪いんだけど急用ができたから病室までは静さんに送ってもらって」
それだけ伝え、すぐにエレベーターホールへと走る。
静さんが乗ってきたままになっているエレベーターに乗り込み、地下のボタンを押した。
エレベーター独特の浮遊感に身体が掻っ攫われる。
「ふざけるな――ひとりだけ逃げるなんて、ふざけるなっっっ」
思い切り壁を殴った。
「……おや? 今、すごい音がしましたが君ですか?」
エレベーターの外に、グレーのスーツを着たひょろ長い男、メガネをかけた銀行員のような男が立っていた。
「支倉と申します」
「あぁ、そう……」
その名前も恐らくは偽名だろう。


