下を向きつつ笑みがもれる。
隣の翠はまだ手の平にあるとんぼ玉を見つめていた。
「それ、もう一度つけようか?」
「え……?」
「音、鳴らないけど鈴みたいだし……」
返事は待たずにチェーンを取り上げ、さっきより早くにつけ終えた。
やっと意味を解したらしい翠が、
「私、猫じゃないんだけど……」
と、睨んでくる。
「猫には鈴だよな。翠にはガラス玉?」
犬にはカラー、猫には鈴、翠にはガラス玉。
自分の中での結論を口にしたら翠はまたむくれるだろうか。
そんなことを考えていると、エレベーター前の自動ドアが開く音がした。
隣の翠はまだ手の平にあるとんぼ玉を見つめていた。
「それ、もう一度つけようか?」
「え……?」
「音、鳴らないけど鈴みたいだし……」
返事は待たずにチェーンを取り上げ、さっきより早くにつけ終えた。
やっと意味を解したらしい翠が、
「私、猫じゃないんだけど……」
と、睨んでくる。
「猫には鈴だよな。翠にはガラス玉?」
犬にはカラー、猫には鈴、翠にはガラス玉。
自分の中での結論を口にしたら翠はまたむくれるだろうか。
そんなことを考えていると、エレベーター前の自動ドアが開く音がした。