光のもとでⅠ

 ポケットに手を入れると、指先に硬いものが触れた。
 出かけに母さんから渡されたチェーンはきれいに磨き上げられ、見事なシルバーの輝きを取り戻していた。
 それに通してあるだけのとんぼ玉のグリーンがよく映える。
 無造作に、ジーパンに突っ込んできたものを手に取り、
「翠」
「何?」
「点滴人間なんだから、そんなに先へ行くな」
 少し歩幅を広げればすぐに追いつく距離だけど……。
 翠の背後から首にチェーンをかけた。
「……何?」
「お土産」
 チェーンの留め金を留め、そのうえに髪の毛を出す。