思いながら車椅子の用意を始めると、
「あっ、ツカサっ。私、歩けるのっ。歩いていいって言われたの」
 翠が普通にベッドから下りようとしてびっくりした。
 車椅子にかけた手は点滴スタンドにかけ直した。
「屋上行くんじゃなかった?」
「行くっ」
 ベッドに腰掛けていた翠は嬉しそうに立ち上がった。