「……宿題ってなんの話だろう」
「お嬢さん、そちらもお忘れでしたか……。二学期始まるまであと一週間切ってるぜ?」
「どうしようっ!?」
「どうしようも何も、がんばるしかないだろぉ……。あぁ、ちょっといい気味。俺全部終わってるんだよね。そしてこれから海に行く予定! じゃ、がんばれよっ!」
 佐野くんは足取り軽やかに病室を出ていった。
 私の宿題宿題……。
 クローゼットの中からそれらしきもの見つける。
 古典と英語の冊子が二冊。
 絶望感たっぷりでその二冊に取り組む羽目になったのは言うまでもない――。
 佐野くん、できればもう少し早くに教えてほしかったです……。