瞬時に、あの日態度が一変したツカサを思い出す。
「あ……あの、私っ――」
「俺は謝られたかったわけじゃないし、感謝してほしかったわけじゃない」
「え……?」
私も身構えているけれど、ベッドサイドから少し下がった位置にいるツカサの手もひどく力が入っていた。
手が、握りこぶし……。
ツカサは少し深めに息を吸うと、一気に話しだした。
「翠が入院してから、かなり翠の近くにいられている気がしてた。記憶がなくなっても頼ってもらえてると思ってた。思っていることをだいぶ話してもらえるようになったとも思っていたし、なによりも側にいたら、顔を見ていたら何を考えているのかすらわかったつもりでいた。でも……八日にそれは違うって思い知った。翠は具合が悪くても言ってはくれないし、自分はバイタルを見るまで気づけなかった。その両方に腹が立って八つ当たりした。八つ当たりしたことは謝らない。けど、そのあと電話に出られなかったことやメールの返信ができなかったことは謝る」
一気に言われてびっくりしていた。
「あ……あの、私っ――」
「俺は謝られたかったわけじゃないし、感謝してほしかったわけじゃない」
「え……?」
私も身構えているけれど、ベッドサイドから少し下がった位置にいるツカサの手もひどく力が入っていた。
手が、握りこぶし……。
ツカサは少し深めに息を吸うと、一気に話しだした。
「翠が入院してから、かなり翠の近くにいられている気がしてた。記憶がなくなっても頼ってもらえてると思ってた。思っていることをだいぶ話してもらえるようになったとも思っていたし、なによりも側にいたら、顔を見ていたら何を考えているのかすらわかったつもりでいた。でも……八日にそれは違うって思い知った。翠は具合が悪くても言ってはくれないし、自分はバイタルを見るまで気づけなかった。その両方に腹が立って八つ当たりした。八つ当たりしたことは謝らない。けど、そのあと電話に出られなかったことやメールの返信ができなかったことは謝る」
一気に言われてびっくりしていた。


