昇さんの年も知らないけれど、栞さんたちと高校が同じで先輩後輩だった、ということだから、栞さんたちよりもひとつかふたつ年上なくらいだろう。
「翠葉ちゃん、こいつと俺を一緒にすんなよ? 俺のが若い」
 相馬先生を指差し答えたのは昇さん。
「あ……そういえば、藤原さんと同期って――」
 ふと思い出したことだったけれど、肝心の藤原さんの年までは知らない。
「そうそう、清良女史と同い年だよ。三十七だろ?」
「いや、俺十一月生まれだからまだ三十六」
「三十六も七も、十七歳の翠葉ちゃんからしてみたら変わらねぇって」
 言って、昇さんはケラケラと笑う。
「昇さんは?」
「俺? 俺は三十二だよ。若いだろ? 俺はアラサーであっちはアラフォーだ」
 イヒヒ、と笑う昇さんに、「てめぇ、図々しすぎんだろ」と相馬先生が軽く蹴りを入れる。