光のもとでⅠ

「蒼兄、唯兄……来てくれてありがとう。なんだか少しほっとした」
 パフン、と蒼兄の肩に頭を預けると、
「あ、ずるい……」
 そう言った唯兄の右腕を掴む。
「うんうん、良きかな良きかな。……でも、ちょっと飲み物買ってくるわ。リィ、お水でいい?」
「うん」
 唯兄が立ち上がり、ラバー素材の靴音が少しずつ遠くなる。
「今ね、入院する直前のお話まで聞いたの。ごめんね。たくさんひどいこと言って」
「…………」
「秋斗さんとツカサが絡んでない部分は曖昧になってても、話を聞いたら思い出せた。お母さんとお父さんにも謝ら――」
 全部言い終わる前に蒼兄に遮られる。