光のもとでⅠ

「あ? リィ、それ絶対おかしいでしょ?」
「おかしいのは私の頭と心」
「はぁ……とにかく座ろうか」
 蒼兄の言葉に、藤山に向かって左から唯兄私蒼兄の順で座った。
「あのね、お話を聞いても何も思い出せないの。それどころか、ひどいことをしたんだなって思っても現実味がなくて心が伴わない。何も感じないのっ……」
「仕方ないよ」
 唯兄が即答した。
「話を聞いただけじゃ思い出せないんだから。きちんと歯車が噛み合ってないものを心が納得してくれるわけないでしょ?」
 唯兄に顔を覗き込まれ、
「むしろ、それでわかった気になって謝ってるわけじゃないんだからいいんじゃない?」
 蒼兄には諭すように言われた。
「……どうしてふたりとも落ち着いているの?」