「翠葉」
……え?
「リィ」
空耳……?
そうは思いつつ、声が聞こえた方へと振り返る。
振り返れば、そこには声の主が立っているわけで――。
「蒼兄……唯兄……どうして?」
口は動くけど、声は出ていなかった。
「どうして、じゃない」
渋い声を出したのは蒼兄。
「ホントだよ。俺達ロビーにいたのに見向きもせず黙々と携帯ゾーンに向かうんだからさ」
唯兄が呆れながら口にし、ふたりが近くまで来ると、「大丈夫か?」と訊かれた。
「蒼兄、大丈夫っていうか、だめっていうか……だめなのは私で、大丈夫じゃないのは秋斗さんとツカサかも……」
……え?
「リィ」
空耳……?
そうは思いつつ、声が聞こえた方へと振り返る。
振り返れば、そこには声の主が立っているわけで――。
「蒼兄……唯兄……どうして?」
口は動くけど、声は出ていなかった。
「どうして、じゃない」
渋い声を出したのは蒼兄。
「ホントだよ。俺達ロビーにいたのに見向きもせず黙々と携帯ゾーンに向かうんだからさ」
唯兄が呆れながら口にし、ふたりが近くまで来ると、「大丈夫か?」と訊かれた。
「蒼兄、大丈夫っていうか、だめっていうか……だめなのは私で、大丈夫じゃないのは秋斗さんとツカサかも……」


