「ありがとう……」
「何が?」
「病院の中庭で発見してくれて……」
「……雅さんの件まで聞いたの?」
「うん……。雅さんと初めて会った日のことと、病院で会った日のことを聞いたよ」
「……別に、あの人のことは思い出す必要ないと思うけど。それに、金輪際会うこともないと思う」
「そうなの?」
「たぶんね」
「あ、さっきね、秋斗さんがジュースをたくさん買ってきてくれたから、冷蔵庫に飲み物入ってるよ?」
「ナースセンターでコーヒー飲んでるからいい」
「そう……」
 ツカサはスツールにも座らず、ソファの方へ行くでもなく、入り口近くの壁に寄りかかったまま。