「少し休憩を入れよう」
 秋斗さんは私の返事を聞かずに立ち上がる。
 その行動を目で追っていると、「ごめんね」と謝られた。
「俺が休憩を入れないとちょっときついんだ」
 言ってすぐに病室を出ていった。
 どうして――どうしてそんなにつらいことを話そうとするんだろう。
 秋斗さんが出ていくと、すぐにツカサが入ってくる。
「減ってないし……」
「え?」
「お茶、全然飲んでないだろ」
 視線でテーブルのお茶を示す。
「あ、そういえば……」
「十分くらいは休憩だろうから飲めば?」
「うん……」
 カップに手を伸ばし、「あ」と思う。