朝、栞さんが挨拶にきてからというものの、どうしてか私の病室にずっといる。
 今は応接セットの方で日誌のようなものをつけている。
「栞さん……?」
「なぁに?」
「どうかしましたか?」
「何がかしら?」
「……えと、どうしてずっと病室にいるのかなって……」
 栞さんはノートから目を離し、私へと向ける。
「心配だから……」
「……心配、ですか?」
「私は反対なの……」
「え……?」
「今、秋斗くんに会うのは反対なの」
 栞さんは困った顔でそう言った。