「変な夢を見てしまって……」
「変な夢? ……でも、翠葉ちゃんが見る夢っていつも脈絡無くて変な夢ばかりよね?」
 確かに、私が見る夢はいつも脈絡がなく、変な夢ばかりだ。
 でも、今朝のはちょっと違う。
「たぶん、無くした記憶の一部だと思うんです。でも、思い出せないし、話している相手も誰だかよくわからなかった……」
「そう……。焦らなくてもいいんじゃないかしら?」
 こちらを気遣うようにそう口にした。
「まずは身体を拭いちゃいましょう?」
 言われて、ベッドの上でルームウェアを脱ぎ、背中など、自分では拭けない場所を拭いてもらった。
 着替えには自分のルームウェアではないものを渡される。
「相馬先生からこれを着るように、って」
 渡されたものは、前はチャックで上げ下げできるもので、背中側はマジックテープで止まっている着衣。