「信じられねぇ……どうしたらこんな硬くなるんだよ。寝台が届きしだい、これはすぐ楽にしてやれるから」
 そう言うと、最初のように座れ、と言われた。
 ベッドに腰掛けると、先生はすぐに背骨の確認を始めたけれど、今度はなかなか口の悪い言葉が聞こえてこない。
「……先生?」
 思わず声をかけると、
「もっと信じられねぇ」
 ぼそりと零す。
「直した側から別の場所が歪みやがる」
 ……それは普通じゃないの?
「……先生、娘は――」
「少し時間がかかるかもしれませんが、夏休み中にはなんとかできると思います」
 そして最後に、相馬先生が私に見せたものは爪楊枝だった。