光のもとでⅠ

「……ありがとう」
「五日後は閉会式が終わったら真っ直ぐ帰ってくる。一度家に帰ったら夜には来るから」
「えっ!? いいよ、だって疲れてると思うしっ」
「でも、結果報告はしたいから」
「それなら電話でも……」
 翠は途中で口を手で押さえた。
 治療が打ち切られた今、五日後がどんな状態にあるのかなんて時間が経たないとわかりようがない。
 翠は言いかけてからそのことに気づいたのだろう。
「だから、来るつもり」
「……ありがとう」
 翠は不安そうに笑みを添えた。