「司、翠葉ちゃんの追加情報を知りたくないか?」
 追加情報……?
「知りたいなら、中に入って座れ」
 知りたくないといえば嘘になる。
 けれど、静さんから聞かずとも、自分が病院へ出向けばわかることでもあった。
 そう思ったと同時、
「今、病院へ行ったところで彼女には会えない」
 確かに、翠はすぐ九階の病室へは戻らないだろう。
 今朝はICUに入るのを見届けてから学校へ向かったのだから。
 けれど、静さんが言っているのはそれとは別な気がした。
 嫌な予感がする――。
「聞くなら中だ」
 もう一度言われて座敷に上がった。