意味がわからないでいると、
「起きたとき、隣にいなかったから……。帰国したのが夢だったんじゃないかって少し不安になったの」
 そういうことか……。
「いるよ。悪かったな、一年も家を空けて」
「……いいの」
 まだ不安そうに身を寄せる栞の顎を取り、ここにいることを実感させるように、優しく優しく口付けた。