「良かった……って言っていいのかな」
 少し困惑したように蒼樹が口にした。
 蒼樹も、今回の仕事がどれほど大きなものかをよく知っているからだろう。
「私や翠葉の言葉に信用がなくても、零の言葉は信用度百パーセントよ」
「あのぉ……参考までにうかがってもよろしいでしょうか?」
 助手席の唯くんがこちらを振り返る。
「碧さんとリィの信用度は何パーセントくらいなのかな、と」
「さぁ、本人たちにはわからないものよ? あとで零に訊いたらどうかしら?」
「因みに、俺の中では四十パーセントくらいかな」
 蒼樹が口にすると、
「げっ、そんなに低いのっ!? ……これは気をつけて会話せねばなりませんな」
 唯くんの言葉で車内の雰囲気が軽くなったように思えた。
 きっと私と蒼樹だけではこうはいかなかっただろう。
 そのあとも、会話の舵取りは唯くんが担ってくれ、車内の雰囲気は和やかなままだった。