『…………はぁぁぁぁ』
「……何よ」
『おまえの"わかってる"と翠葉の"大丈夫"ほど信用できないものはないんだよなぁ……』
「ひどいわねっ。そんなことないわよっ」
『ははは。ま、俺も数日こっちにいられる状態にしてきたから』
「そう……静がよく許したわね?」
『っていうか、碧が倒れた時点で早く戻れって怒鳴られたけどな』
 携帯の向こうで零はきっと苦笑している。
『それでも戻らなかったのは俺の意思なんだ』
「……うん、あとでゆっくり話しましょう」
『そうだな』
 それで通話は切れた。
「父さん?」
「そうよ」
「病院に着いたって?」
「えぇ、今栞ちゃんに帰ってもらったところだって。零も数日はこっちにいられるみたい」