そのすぐあとにメロンのシャーベットを持ってきてくれたけど、カチコチのそれはすぐには食べられそうになかった。
 自分の力がないのか、はたまたシャーベットが硬すぎるのか。
「焦らなくても少しすれば溶けてくるわ」
 それもそうだな、と思い、しばらく放置することにした。
 メロンのシャーベットを眺めつつ、さっきの藤原さんの話を思い出す。
 藤原さんはとても不思議な人だと思う。
 簡単ではない話しをとても簡単そうに話す。
 聞いているこちらは、簡単な言葉を咀嚼するのにひどく時間がかかって大変。
 たとえるならば、小さいクッキーなのに、やたら硬くて噛み砕くのに時間がかかるクッキーとか、もしくは今目の前にるシャーベット……。
 スプーンを入れられそうなのに、いざ入れようとすると全然歯が立たない。
 そんな感じ。
 あ……スプーンがプラスチックだから余計に、なのかな。
 今日のスプーンは黄色。
 黄色といえば、先日お母さんと桃華さんからいただいた小さな向日葵。