痛い、かな……。
 目を覚ましたのは夜中だった。
 サイドボードにある時計は蛍光灯の針が三時を指している。
「この痛みは引いてくれるのかな……」
 どこまで痛くなるのだろう。
 そんなことが不安で仕方ない。
 病院の夜はどこまでも静かで暗い。
 しかも、この階には私しかいないのだ。
 その事実が静かさに拍車をかけ、孤独をよりいっそう引き立てる。
「こういうのは良くないな……。何か楽しいこと考えないと」
「そこで、ナースコールって選択肢はないのか?」
「っ……!?」
 暗闇の中に昇さんが立っていた。
「あんまり我慢しなくていいって言っただろ?」
 言いながら、昇さんは私と視線を合わせるためにしゃがみこんだ。