「……私で?」
『そう、また、同じ人を好きになるのか……』
「……あまりいい実験材料にはなりそうにないけど、でも……見守ってもらえると嬉しいです」
『おう、任せとけっ!』
 今の声はいつもの佐野くんの声だ。
「全然大丈夫そうだね」
『うん、今大丈夫になったっぽい」
 力強い声っが返ってきた。
「明日もがんばってね」
『御園生も無理しないようにな』
「うん、ありがとう」
『電話助かった。正直、背中に岩でも乗ってるんじゃないかってくらいには緊張してたから』
 笑いながらおやすみを言って電話を切った。