「翠葉?」
「えっ?」
「食べないと」
「あ、うん……」
 薄味をお味噌汁を口にしても、やっぱりツカサのことが頭から離れない。
「蒼兄……私はツカサが好きだったのかな」
 蒼兄を見ると、びっくりした顔をされた。
「どうしてそう思ったんだ?」
 努めて冷静に――そんな訊かれ方。
「ツカサの声を聞くと落ち着くの。……側にいてくれると安心する。なのに、顔を見るとドキドキする」
「……そっか。それはさ、何度も会って話をしていたらはっきりするんじゃないかな」
 やっぱり蒼兄もはっきりとした答えは教えてくれなかった。
 唯兄、栞さん、蒼兄――三人ともがそれは同じだった。