「はい、きれいに乾いたわよ」
「ありがとうございます」
両サイドの髪の毛が顎のあたりで揺れている。
「似合ってるわ」
「嬉しい……」
似合っている、という言葉は少し気恥ずかしい。
でも、初めてした髪型が似合っていると言ってもらえてなんだかほっとした。
蒼兄や唯兄も似合うって言ってくれるかな?
病室に戻ると、信じられない光景に出くわした。
「あら、眠れる森の王子様かしら?」
そんなふうに口にしたのは車椅子を押している藤原さんで、私はその王子様に釘付けだ。
ソファで横になっているのは紛れもなくツカサで、私たちの会話や気配では起きそうになかった。
「ありがとうございます」
両サイドの髪の毛が顎のあたりで揺れている。
「似合ってるわ」
「嬉しい……」
似合っている、という言葉は少し気恥ずかしい。
でも、初めてした髪型が似合っていると言ってもらえてなんだかほっとした。
蒼兄や唯兄も似合うって言ってくれるかな?
病室に戻ると、信じられない光景に出くわした。
「あら、眠れる森の王子様かしら?」
そんなふうに口にしたのは車椅子を押している藤原さんで、私はその王子様に釘付けだ。
ソファで横になっているのは紛れもなくツカサで、私たちの会話や気配では起きそうになかった。


