光のもとでⅠ

「そのストラップ……私が買ったのかな」
 すごくかわいいストラップ。
 でも、買った記憶もなければ、誰かにもらった記憶もない。
「これは……」
 蒼兄はストラップを見て口を噤んでしまった。
「何か、おかしい……頭が変……。湊先生と楓先生に似た人がさっきからちらつくの、どうしてっ!?」
「翠葉、落ち着こうっ」
 頭を押さえる手を蒼兄に掴まれた。
「御園生さん、落ち着きなさい」
 そう声をかけてくれたのは藤原さんだった。