「詳しい話はお母さんが聞いてるけど、検査に異常は見られなかったって。脳波もとくに問題はないだろうって」
「また……また異常なし、なの?」
"異常なし"――。
それは私にとってあまり嬉しい結果とは言いがたいものだった。
普通なら異常がないほうが好ましいのだろう。
けれども、この身体は検査に引っかからない異常があるのだ。
「翠葉、痛みの病気とは別物だよ。脳に問題があって……たとえばアルツハイマーとかそういうものなら検査でちゃんとわかる」
「じゃぁ、なんで自分が話した記憶がないのっ!?」
唯兄がテーブルに置いていった携帯に目をやる。
その携帯には見覚えがあるのに、どうしたことかストラップには記憶がない。
「また……また異常なし、なの?」
"異常なし"――。
それは私にとってあまり嬉しい結果とは言いがたいものだった。
普通なら異常がないほうが好ましいのだろう。
けれども、この身体は検査に引っかからない異常があるのだ。
「翠葉、痛みの病気とは別物だよ。脳に問題があって……たとえばアルツハイマーとかそういうものなら検査でちゃんとわかる」
「じゃぁ、なんで自分が話した記憶がないのっ!?」
唯兄がテーブルに置いていった携帯に目をやる。
その携帯には見覚えがあるのに、どうしたことかストラップには記憶がない。


