「いえ、去年も同じ検査をしたんです。そのときの説明と同じだな、と思って」
「あら、マニュアルそのまま読んでるのバレバレね?」
 検査技師さんもクスクスと笑い、「それなら話は早いわ」と、簡易的な説明に変更された。
「吸って吐いての呼吸も光のフラッシュも大丈夫ね?」
「はい、大丈夫です。それから暗所恐怖所でもないです」
「そうそう、それも訊かなくちゃいけないのよね」
 そんな会話をしてから検査が始まった。

 最初に電気が消え、吸って吐いてののんびりバージョンと少し早いバージョン。
 少し早いバージョンは気をつけていないと過呼吸になってしまいそうになるから要注意。
 光のフラッシュは眩しくて少し苦手。
 そう思っているうちに光のフラッシュが始まった。
 最初はゆっくりと、徐々に点いたり消えたりが早くなる。
 まるで連写のようになったそのとき――。