「ほら、冷めないうちに食べなさい」
言われて、ようやく目の前のご飯に手を伸ばすことができた。
トレイの上には桃が乗っている。
「桃……」
「うん。デザートだけど先に食べてもいいわよ」
私は真先に桃にフォークを伸ばした。
「美味しい……」
「……御園生さんが泣いたら桃を出せばいいわね」
そんなふうに言われるくらいには嬉しそうな顔をしていたのだろうか。
いつもよりも会話多めで朝食を摂り、部屋の中にある洗面台で歯磨きを終えると、「翠」と後ろからツカサの声がした。
振り返ると、本当にツカサがいて――。
「ツカサっ」
何を考える前に、ツカサに手を伸ばした。
ツカサの鼓動が耳もとに聞こえてくる。
トクントクン、すごく安心できる音。
でも、どうして心音が聞こえるんだろう……。
言われて、ようやく目の前のご飯に手を伸ばすことができた。
トレイの上には桃が乗っている。
「桃……」
「うん。デザートだけど先に食べてもいいわよ」
私は真先に桃にフォークを伸ばした。
「美味しい……」
「……御園生さんが泣いたら桃を出せばいいわね」
そんなふうに言われるくらいには嬉しそうな顔をしていたのだろうか。
いつもよりも会話多めで朝食を摂り、部屋の中にある洗面台で歯磨きを終えると、「翠」と後ろからツカサの声がした。
振り返ると、本当にツカサがいて――。
「ツカサっ」
何を考える前に、ツカサに手を伸ばした。
ツカサの鼓動が耳もとに聞こえてくる。
トクントクン、すごく安心できる音。
でも、どうして心音が聞こえるんだろう……。


