光のもとでⅠ

「ひどいことをして、ごめんなさい……」
 けれど、秋斗さんからの言葉は何も返されない。
 緊張したまま頭を下げていた。
「俺の傷はさ、そんなことじゃ癒えないんだよね」
 やけに近くで声がした。
 違和感を覚えて顔を上げると、すぐそこに秋斗さんの顔があって――キスをされた。
「また俺の彼女になって。で、俺の傷を癒して」
 私は口を押さえたまま何を言うこともできずにいた。
「今のキスは軽いほうでしょ? もっと深いキスだってしたことあるでしょ」
 秋斗さんは淡々と口にして、私の肩を抱き寄せた。
「院内は空調が利いているから、ずっとここにいたら冷えるよ」
 夏なのに、あり得ないくらい自分が冷えていることに気づく。
 秋斗さんの手が熱い……。