「御園生さん、大丈夫?」
「きゃっ」
 突如、後ろからかけられた声にびっくりした。
「ふっ、藤原さんっ」
「脈拍と血圧がいつもと違う動きしてたから確認に来ただけよ」
「あ……今、絶賛勇気総動員中で、すごく緊張してますっ」
「……なら大丈夫ね」
 藤原さんは手に持っていたフリースの膝掛けをかけてくれた。
「冷えないようにしなさい」
 言うと、すぐにナースセンターへ戻っていった。
 緊張のあまり聞こえなかったのか、藤原さんの足音にも気づかなかった自分に呆れる。
 そうこうしていると八時になってしまい、私は一度すべて息を吐き出してから、通話ボタンを押した。