ディスプレイには秋斗さんの番号と時計を交互に表示させている始末だ。
 会って謝りたいけど、でも怒っていて拒否されるかもしれない。
 もしかしたら、電話にすら出てもらえないかもしれない……。
 すごく怖い――。
 こんな怖い思いをするくらいなら、ツカサに叱られたほうがましなんじゃないかとか、どうしてもそんなふうに考えてしまう。
 そこで気づく。
「逃げ、だったのかな……」
 十分後にツカサに電話してほしいって言うこと事体が逃げだったのかもしれない。
 私はどこまで自分を甘やかせば気が済むのだろう。
「どうしようもないな……」
 時計の表示と共に、自分の心拍や血圧も表示される。
 数値はしだいに上がり始めていた。