「俺はちょっと頻度低めね」
 唯兄の言葉に首を傾げると、
「本格的に御園生家で仕事ができるように環境整えるから、しばらくちょっと忙しいんだ」
「ホテルじゃなくていいの?」
「ホテルのメインコンピューター自体をいじるって話を秋斗さんとしてるとこ」
 私にはさっぱりわからない話だけれど、機械に明るい秋斗さんと唯兄が時間がかかると言う程度には大変なことなのだろう。
「……やっぱり、私だけ残ってもいい? 夕飯が食べ終わるまで」
 お母さんはまだ遠慮気味に訊いてくる。
「いいよ」
 ただ一言答えただけなのに、とても嬉しそうに笑ってくれた。
「じゃ、唯くんと俺はふたりで帰るか」
 お父さんの提案に唯兄がにこりと笑った。
「そうします。まだ配線ごっちゃだし……」
 そんな会話を聞いて思い出す。