「まだひとつ残ってたか」
 帰り際に唯兄がミニバッグの中を覗いた。
「あ、バッテリーありがとうっ」
「うん、これ追加分ね」
「いつでも電話しておいで。メールでもいいし」
「……ありがとう」
 新しく追加されたバッテリーの数にびっくりしていると、
「唯、だから多すぎるって言っただろ?」
「でも、今までよりは連絡くれるようになるだろうから、そしたらすぐになくなるってば」
 これはもう、何がなんでも一日に一回は連絡しないといけない気がする。
「そんなに気負わなくてもいいわよ。連絡してこなくても、私たちが入れ替わりでここに来るんだもの」
 お母さんの言葉に少しほっとした。