「おはよ」
にっこりと笑われて、反射的に「おはよ」を返す。
「唯、今度そのおまじない知りたい」
蒼兄が真面目な顔をして口にすると、唯兄は「企業秘密」と答えた。
なんだか、私の周りには"企業秘密"を標準装備している人が多い気がする。
そんなことを考えながら、ベッド脇にあるリモコンに手を伸ばした。
体がきちんと起き上がるまでに目を合わせたのは唯兄だけ。
「気分はどう?」
藤原さんに訊かれ、
「大丈夫です」
「それも直しましょう」
「え……?」
「私は大丈夫かが知りたいわけじゃないのよ? 体調や気分がどうかを知りたいの。それは良いか悪いか普通か、そういう返事が模範解答」
「……普通です。でも、少し緊張してるから脈拍は速いかもしれません」
「了解。今度からもそういうふうに答えるように」
藤原さんはそれだけで病室を出ていった。
にっこりと笑われて、反射的に「おはよ」を返す。
「唯、今度そのおまじない知りたい」
蒼兄が真面目な顔をして口にすると、唯兄は「企業秘密」と答えた。
なんだか、私の周りには"企業秘密"を標準装備している人が多い気がする。
そんなことを考えながら、ベッド脇にあるリモコンに手を伸ばした。
体がきちんと起き上がるまでに目を合わせたのは唯兄だけ。
「気分はどう?」
藤原さんに訊かれ、
「大丈夫です」
「それも直しましょう」
「え……?」
「私は大丈夫かが知りたいわけじゃないのよ? 体調や気分がどうかを知りたいの。それは良いか悪いか普通か、そういう返事が模範解答」
「……普通です。でも、少し緊張してるから脈拍は速いかもしれません」
「了解。今度からもそういうふうに答えるように」
藤原さんはそれだけで病室を出ていった。


