「今、唯兄が養子って言った?」
「言ったぞ?」
「えーーーっ!?」
「反応薄いと思ったら、今頃理解したのか?」
「唯兄が養子って何っ!?」
「……何って、そのまんまの意味なんだけどな」
 お父さんは朗らかに笑っていた。
 久しぶりに大声を出した私は、気管支だか声帯がおかしなことになって、そのあと少し咽ることになった。
 話の内容に呆気に取られているうちに、
「そろそろ病室に戻ろう」
 と、車椅子を押された。
「あ――」
「ん?」
 上からお父さんに覗き込まれる。