「言葉はある意味両成敗だ。言ったほうも言われたほうもつらいからな。でも、行動ってのはさ、された側のほうが痛い思いをすると思わないか? その分、罪は重い。それが自己防衛のためならなおさらだ」
 耳も心も痛い……。
「さてと、俺の言いたいことは以上だ。あとは楓や涼さんにでも慰めてもらえ」
 と、昇さんは処置室を出ていった。
「……昇は相変わらずだな」
 そう口にしたのは涼先生。
 楓先生は苦渋を呑まされた顔をして、私を心配そうに見ている。
「楓先生……だとしたら、私はどうやって謝ればいいんだろう……。たぶんね、昇さんの言ったことは全部当たっているし正しいの。私は、自分が傷つきたくないから人を遠ざけたの……」
「ひとつだけいいかな?」
 楓先生に訊かれてコクリと頷く。