「そんなふうに笑えるんだったら大丈夫なんじゃないか?」
 それは、家族に会うということだろうか……。
「……一気に表情が変わるのな」
 今度は苦笑を浮かべていた。
「親父さんは明日の朝一で現場に戻るんだと。お袋さんはしばらくこっちにいられるみたいだけどな」
 え……?
「お袋さん、現場でぶっ倒れるまで仕事して、一ヶ月フリーの状態作って帰ってきたらしいぞ」
 っ……!?
「お母さん、倒れたのっ!? 大丈夫なんですかっ!?」
「……大丈夫だ。過労だ、過労。今は自宅で安静にしているし、栞が行ってるから家事の負担もない」
 栞さんがいるなら大丈夫……。