「はい、薬」
 出されたたくさんの薬を数回に分けて飲んだ。
「神崎医師が九時頃に来るはずだから、その前に洗面を済ませましょう。これを下げたらタオルを持ってくるわ」
 その間に私はクローゼットに入っているものの確認をすることにした。
 洋服のほかにはお風呂セットやミュージックプレーヤー、ノートパソコンまで入っていた。
 ミュージックプレーヤーを手に取り、ベッドをほんの少し傾けて好きなインストを聞いて過ごす。
「今回はどのくらい入院することになるのかな……」
 きっとこの答えは去年と同じで、誰に訊いても得られることはないのだろう。
 二学期には間に合わせたい。二学期には――。